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2002 年度 実績報告書

昆虫病原性線虫の共生細菌代謝産物の解明とその生理活性物質の利用開発

研究課題

研究課題/領域番号 14760030
研究機関佐賀大学

研究代表者

吉賀 豊司  佐賀大学, 農学部, 助手 (00312231)

キーワード昆虫病原性線虫 / 共生細菌 / 代謝産物 / 生理活性物質 / Steinernema / Xenorhabdus / Heterorhabditis / Photorhabdus
研究概要

昆虫病原性線虫感染態幼虫の腸内にはI型の共生細菌が存在するが,人工培地上や線虫が感染した昆虫体内で,時間の経過とともにII型が出現する.そこで,I型からII型を選抜し,細菌用普通寒天培地にコーン油を添加した培地に,無菌化した1期幼虫とI型またはII型の共生細菌を入れ,線虫の増殖を比較した.Steinernema carpocapsaeとその共生細菌であるXenorhabdus nematophila,またはHeterorhabditis baceriophoraとその共生細菌であるPhotorhabdus luminescensの組み合わせでは,線虫の増殖には細菌のI型,II型でほとんど違いは見られなかった.そのため,線虫にとって栄養的にはI型とII型ではあまり違いはないと考えられる.また,無菌化したS. carpocapsaeの1期幼虫を大腸菌とともに培地に接種した場合に線虫は発育し,増殖した.H. bacteriophoraでは大腸菌を餌とした場合,1期幼虫を接種すると線虫は全く発育しなかったが,無菌の感染態幼虫を作出し線虫を耐久状態から回復させた後に培地に接種すると,線虫は発育・増殖した.一方.S. carpocapsaeとPhotorhabdusのI型の組み合わせ,H. bacteriophoraとX. nematophilaのI型の組み合わせの場合,線虫は全く発育できず,死亡したため,それぞれの細菌が殺線虫物質を産生していることが予想された.しかし,X. poinarii RS92のII型を用いた場合H. bacteriophoraは増殖可能であった.このことから,I型の共生細菌は共生関係にある線虫以外の線虫に対する殺線虫物質を産生するが,II型では産生しないことが明らかになった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Bilgrami, et al.: "Generic diversity and community analysis of nematodes with particular reference to predaceous nematodes in a deciduous forest of Northern Kyushu, Japan"International Journal of Nematology. 12. 46-54 (2002)

  • [文献書誌] 吉賀豊司: "線虫の生物学(第14章)"東京大学出版会. 12 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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