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2003 年度 実績報告書

昆虫病原性線虫の共生細菌代謝産物の解明とその生理活性物質の利用開発

研究課題

研究課題/領域番号 14760030
研究機関佐賀大学

研究代表者

吉賀 豊司  佐賀大学, 農学部, 助手 (00312231)

キーワード昆虫病原性 / 線虫 / 脂肪酸 / 不飽和化 / Steinernema / Xenorhabdus / 代謝産物 / 共生
研究概要

昆虫病原性線虫の発育に必要な脂質について解析するため,無菌化したSteinernema carpocapsae 1期幼虫と細菌を組み合わせ,二者培養を行った.S.carpocapsaeの共生細菌であるX.nematophilaまたは大腸菌を用いて二者培養を行ったところ,コーン油を添加した培地に接種した場合,線虫はいずれの細菌を摂食して発育・増殖したが,脂質を添加しない普通寒天培地上ではS.carpocapsaeは発育できなかった.細菌食性の自由生活性線虫は、培地に油を添加しない培地上でも発育・増殖できることから,S.carpocapsaeは細菌だけてなく,エサに含まれる油成分が発育に必須であることが考えられた.共生細菌をNutrient broth (NB)またはNBに1%のコーン油を添加した液体培地上で培養し,細菌の脂肪酸組成を解析したところ,NBのみで培養した場合.X.nematophilaの主要な脂肪酸組成はパルミチン酸,パルミトレイン酸,オレイン酸であったが,NBにコーン油を添加して培養した場合には総脂肪酸の約20%をリノール酸が占めていた.同様に大腸菌(OP50)を液体培養した場合にも,培地にコーン油を添加した場合にのみリノール酸が多く検出された.X.nematophilaはリノール酸の前駆体となるオレイン酸を総脂肪酸の20%も含んでいるのにもかかわらず,コーン油を添加しない培地上では発育できないことから,S.carpocapsaeはオレイン酸をリノール酸へ不飽和化する酵素の活性が低いか欠損している可能性が考えられる.線虫においても,リノール酸は発育に不可欠な生理活性物質の前駆体であることが考えられるため,線虫におけるリノール酸の代謝と合成される生理活性物質を解明していくことが必要だと思われる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Baliadi Y.: "Infectivity and post-infection development of infective juveniles originated via endotokia matricida in entomopathogenic nematodes."Applied Entomology and Zoology. 39. 61-70 (2004)

  • [文献書誌] 吉賀 豊司: "線虫の生物学(第14章)"東京大学出版会. 12

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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