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2003 年度 実績報告書

エビガラスズメフィブロインの量的・質的変動と下唇腺の進化

研究課題

研究課題/領域番号 14760032
研究機関信州大学

研究代表者

白井 孝治  信州大学, 繊維学部, 助手 (00293499)

キーワードエビガラスズメ / 下唇腺 / フィブロイン / カイコ / 絹糸腺 / ホルモン / 進化
研究概要

本年度は研究計画に基づきワンダリング期のエビガラスズメ下唇腺の主要フィブロインタンパク質の内部アミノ酸配列の分析とクローニングを試みた。しかしながら、未だ遺伝子のクローニングの完了には至っていない。
つぎにエビガラスズメ幼虫下唇腺にカイコ絹糸腺の様な機能分化が認められるかどうか追究した。外部形態から下唇腺は導管部と思われる部位I(前部絹糸腺に相当)、頭胸部の直径がやや太くなり直線的な部分である部位II(中部絹糸腺に相当)、および気管が密に分布しコイル状を呈している部位III(後部絹糸腺に相当)に区別できる。しかしながら、部位IとIIの境界は明らかであるが、部位IIと部位IIIには明瞭な境界が認められない。本研究ではこの境界が明瞭でない部位IIと部位IIIに焦点を絞り、両部位間に機能分化が認められるかどうか調査した。
カイコ絹糸腺では含有エステラーゼの活性と種類が中部と後部絹糸腺で異なることが知られている。そこで下唇腺についても調査したが、明瞭な違いは見られなかった。そこで、次にフィブロインタンパク質の合成について調査した。標識アミノ酸を用い合成されるフィブロインタンパク質に違いがないか調査したが、部位IIと部位IIIは同じフィブロインタンパク質を合成・分泌していた。すなわちフィブロイン合成に関しては部位IIと部位IIIで違いはないと考えられる。一方、タンパク質の合成能を調査したところ、5齢幼虫期には差は認められなかったが、ワンダリング期になると部位IIと比較して部位IIIは顕著に多くのフィブロインタンパク質を合成・分泌していた。よって下唇腺外部形態に認められる部位IIIにおける密な気管分布はワンダリング期における多量のタンパク質合成を反映していると考えられる。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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