• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

プロテインメモリー現象によるタンパク質の構造変化と保持機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14760064
研究機関独立行政法人食品総合研究所

研究代表者

韮澤 悟  独立行政法人食品総合研究所, 生物機能開発部, 主任研究官 (10343823)

キーワード分子内シャペロン / アミノペプチダーゼ / X線結晶構造解析 / キメラ酵素 / プロ酵素 / アミノ酸部位特異的変異
研究概要

本課題では、金属エキソペプチダーゼであるアエロモナスアミノペプチダーゼにおいてプロテインメモリー現象を引き起こす分子内シャペロンの特性を解析するとともに、分子内シャペロンの変異によって生じる成熟体部分の立体構造の変化を原子レベルで解明することが目的である。本年度は下記1、2の研究結果が得られた。
1、アエロモナスアミノペプチダーゼと同じファミリーに属し、約60%のアミノ酸配列の相同性を持つビブリオアミノペプチダーゼを用いて分子内シャペロン部位を交換したキメラ酵素を対象に、酵素の結晶化およびそれらのX線結晶構造解析を行った。まず、キメラアミノペプチダーゼプロ体結晶について、SPring-8にてX線回折データの測定を行った。分解能2.3Åまでの回折強度データより、本結晶の空間群はC222_1、格子定数はa=81.9、b=193.9、c=134.4Åであることが明らかになった。つづいて、分子置換法により初期位相を求め、立体構造モデルの構築および精密化を行い、R=20.1%の構造モデルを得た。金属エキソペプチダーゼにおいて、分子内シャペロン部位の立体構造を明らかにしたのは、これが初めてである。
2、1で得られた立体構造の結果から、分子内シャペロン部位と金属原子の相互作用に関与していると推測されるCys77をAla、Asp、Glu、Ser、Hisに変異させた5種類のキメラアミノペプチダーゼ変異体遺伝子を構築し、大腸菌において発現させた。その結果、いずれの変異体もアミノペプチダーゼ活性を示したが、分子内シャペロン部位は大腸菌体内のプロテアーゼによって分解を受けていた。また、Cys77Asp変異体について、in vitroリフォールディング実験を行った結果、活性型変異酵素プロ体を得ることに成功した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Nirasawa, S., Hayashi, K.: "Construction and characterization of a chimeric aminopeptidase"Protein science. 12. 148 (2003)

  • [文献書誌] Nishimoto, M., Fushinobu, S., Miyanaga, A., Wakagi, T., H.Shoun, H., Sakka, K., Ohmiya, K., Nirasawa, S., Kitaoka, M., Hayashi, K.: "Crystallization and preliminary X-ray analysis of xylanase B from Clostridium stercorarium"Acta Crystallographica Section D. 60・2. 342-343 (2004)

  • [文献書誌] Nirasawa, S., Hayashi, K.: "[M647] Pro-aminopeptidase processing protease : In The Handbook of Proteolytic Enzymes, 2nd edn."Barrett, A., Rawlings, N., Woessner, F.. 2 (2004)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi