研究課題
本課題では、金属エキソペプチダーゼであるアエロモナスアミノペプチダーゼにおいてプロテインメモリー現象を引き起こす分子内シャペロンの特性を解析するとともに、分子内シャペロンの変異によって生じる成熟体部分の立体構造の変化を原子レベルで解明することが目的である。本年度は下記1、2の研究結果が得られた。1、アエロモナスアミノペプチダーゼと同じファミリーに属し、約60%のアミノ酸配列の相同性を持つビブリオアミノペプチダーゼを用いて分子内シャペロン部位を交換したキメラ酵素を対象に、X線結晶構造解析および立体構造モデルの構築、精密化を行った。その結果、キメラアミノペプチダーゼプロ体について、R=20.1%の構造モデルを得た。金属エキソペプチダーゼにおいて、分子内シャペロン部位の立体構造を明らかにしたのは、これが初めてである。さらに、構造モデルの解析の結果、分子内シャペロン部位はCys77を介して金属原子と相互作用していること、分子内シャペロンのプロセシング部位が分子表面に存在していること、分子内シャペロン部位の疎水性アミノ酸が疎水コアを形成していることが推定できた。2、分子内シャペロン部位の各種アミノ酸変異体を取得した結果、Trp24、Ile25、His71、Glu72、Cys77の各アミノ酸残基が酵素全体のフォールディングに重要な役割を担っていることが明らかになった。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (4件)
Biochimica et Biophysica Acta 1748
ページ: 26-34
Structure 12・6
ページ: 937-947
FEBS Letters 573
ページ: 135-138
Biotechnology of Ligunocellulose Degradation and Biomass Utilization
ページ: 728-735