研究概要 |
1.抗生物質ポリナクチン類の高活性アナログマクロテトロリドαの合成経路を改良し、大量合成に成功した。 抗生物質パママイシン-635Aの全合成研究において、南半球部分の合成をシス選択的ヨードエーテル化及びヨウ素の還元を鍵反応に用いて達成した。新規に構築した東半球部分を延長し、北半球部の合成が進行中である。 2.非選択的植物病原菌毒素タブトキシニン-β-ラクタムのラクトン誘導体の合成研究を行った。モデル化合物において効率よく目的の部分構造を構築する検討を行った。 3.イネいもち病原菌毒素ピリクオールの光学活性体の合成研究を新規経路に基づいて行い、芳香環部分の結合断片を合成した。側鎖部分の結合断片合成において、[2,3]-Wittig反応による骨格構築を検討した。Stilleカップリング反応により、ラセミ体での形式合成化合物に導くことができ、これにより光学活性体を合成することが可能になった。 4.抗生物質スピロファンジンAの合成研究を進めた。 5.海産防御物質プテロエノンの天然型を含む4種のジアステレオ異性体の全合成を試みた。注意深く実験条件を検討し、立体化学を損なうことなく天然型及びシン型異性体の全合成を達成した。
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