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2002 年度 実績報告書

口腔内での脂肪・脂肪酸認識における脂肪酸トランスポータに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14760081
研究機関京都大学

研究代表者

松本 晋也  京都大学, 農学研究科, 助手 (30263156)

キーワード脂肪酸 / 脂肪 / 脂肪酸トランスポータ / 化学感覚 / 味蕾
研究概要

研究の背景と目的
脂肪が与える口腔内での感覚は、基本的には触覚であり、味蕾を介する化学感覚(味覚)ではないと考えられてきた。しかし、不飽和脂肪酸による単離味細胞の活性化、脂肪酸トランスポータFAT(fatty acid transporter)の味蕾での発現などが報告され、脂肪・脂肪酸が味細胞で認識されている可能性が再認識されている。この仮説が真実ならば、脂肪摂取をコントロールする上で新しい方向性を与えうると考えられる。申請者は生理条件に応じて脂肪酸トランスポータの発現が調節されていることを示すことで,この仮説を強化できるとの発想から本研究を立案した。
研究成果
ラットの有郭乳頭及び葉状乳頭味蕾での各種脂肪酸トランスポータ(FAT, FATP, VLCS)の発現をreal-time RT-PCRにて解析した。その結果,FATPとVLCSは味蕾以外の上皮細胞にも発現していることがわかったので,以降の解析から除外した。FATについては味蕾で発現していることが確認された。
FATの味蕾での機能を調べるため,摂取した脂肪の量およびその嗜好性とFAT発現量との相関をラットの行動学を使って検討した。その結果,摂取脂肪量または脂肪への嗜好性の上昇とFAT発現量との間には明確な相関は認められなかった。この解析において,有郭と葉状乳頭味蕾のFAT発現パターンには違いがあることがわかった。有郭乳頭では摂取脂肪量または脂肪への嗜好性とは関わりなく,FATの発現量はほぼ一定かつ低レベルであった。一方,葉状乳頭味蕾では発現量の変動は大きく,かつ有郭乳頭の数倍から数十倍の発現レベルを示した。この結果は両乳頭味蕾におけるFATの機能に違いがあることを示唆している。また,葉状乳頭における発現の変動はスクロース共存下で顕著化する傾向を示したことから,スクロース(または,糖)との関連性の観点からも研究を進めている。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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