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2003 年度 実績報告書

緑茶由来カフェインの新規生理作用の解明:サイトカイン抑制と抗炎症・抗アレルギー

研究課題

研究課題/領域番号 14760087
研究機関帝京大学

研究代表者

上田 浩史  帝京大学, 薬学部, 助手 (70246023)

キーワード緑茶 / カフェイン / サイトカイン / 抗炎症 / 抗アレルギー / 発癌抑制
研究概要

平成15年度は、平成14年度に明らかにした知見(緑茶に炎症性サイトカインの産生抑制作用がある事、TPA誘導耳介浮腫等の炎症モデルに対し抗炎症作用を示す事、それらの活性物質がカフェインである事)を元に、新たに発癌抑制作用を明らかにし、抗炎症作用および発癌抑制作用の機作の検討を行った。
前年度の抗炎症実験において起炎剤として用いたTPAが発癌プロモーターとしても使用されている点に注目し、緑茶が、DMBAをイニシエーター、TPAをプロモーターとする多段階発癌も抑制出来る事を明らかにした。
次に、炎症あるいは発癌におけるサイトカインの関与を明らかにするため、炎症あるいは発癌部位の皮膚をホモジェナイズし、ELISAにより局所性サイトカインを測定したところ、IL-1α、IL-1β、IL-6、IFN-γ、TNF-αの増加が認められ、しかも、それらは緑茶による抗炎症・発癌抑制時には抑制されていた。したがって、炎症・発癌過程に炎症性サイトカインの局所産生が関与し、緑茶は、それらの産生を抑制する事により抗炎症・発癌抑制作用を発揮している事が示唆された。
次に、サイトカイン抑制の機作を検討した。緑茶およびカフェインは、LPSで誘導されるサイトカイン産生を蛋白およびmRNAレベルで抑制した。ヤクロファージをLPSで刺激すると、30〜60分にかけて1κBがリン酸化されたが、緑茶およびカフェインはこのリン酸化を抑制した。また、緑茶およびカフェィンは、p44/42MAPKのリン酸化を抑制した。JNK/SAPKのリン酸化は、緑茶により抑制されたが、カフェインでは抑制されなかった。したがって、緑茶およびカフェインは、1κBやp44/42MAPK系のリン酸化の抑制によりサイトカインの局所産生を抑制し、抗炎症・抗アレルギー作用や発癌抑制作用を発揮していることが推測された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hiroshi Ueda: "Inhibitory effect of perilla leaf extract and luteolin on mouse skin tumor promotion"Biol.Pharm.Bull.. 26・4. 560-563 (2003)

  • [文献書誌] 上田浩史: "カフェインによる抗炎症・抗アレルギー作用"緑茶通信. 7. 28-32 (2003)

  • [文献書誌] Hiroshi Ueda: "A hydroxyl group of flavonoids affects oral anti-inflammatory activity and inhibition of systemic tumor necrosis factor-α production"Biosci.Biotech.Biochem.. 68・1. 119-125 (2004)

  • [文献書誌] 上田浩史(分筆): "AHCCの基礎と臨床"ライフ・サイエンス. 271 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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