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2003 年度 実績報告書

ナルトビエイの成長・繁殖・食性および回遊に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14760122
研究機関長崎大学

研究代表者

山口 敦子  長崎大学, 水産学部, 助教授 (10310658)

キーワードナルトビエイ / 板鰓類 / 有明海 / 繁殖 / 移動 / 交尾期
研究概要

今年度も、有明海での定期的なナルトビエイの採集と計測および標識放流を行い、繁殖特性を明らかにすることに重点をおいて研究を行なった。
材料には、有明海の主として湾奥部で刺網または底曳網により捕獲したナルトビエイ合計470個体(雄n=235,雌n=235)を用いた。成熟した雄については精巣の組織切片を作製し、HE染色を施して顕微鏡下で観察し、交尾期を推定した。雄の交尾器と雌の子宮の状態から、雌雄とも早いものでは体盤幅が約800mmに達すると成熟を開始することがわかった。雄のGSI(生殖腺指数)は7月に最大となり、8月から急激に減少したが、組織学的な観察結果ではGSIが減少した8月から9月にかけて精巣内に精子が形成されており、交尾期は8月〜9月頃と推定された。繁殖様式は卵胎生で、5月〜6月にかけて子宮内には受精卵が見られた。その後直線的な成長を遂げた胎仔は8月下旬〜9月にかけて体盤幅約400mmで出生することがわかった。妊娠期間は約3ヶ月と短く、雌1個体あたりの産仔数は1〜5個体で、平均するとわずか2,5個体であった。栄養状態の指標となるHSI(肝量指数)を見ると、雌雄とも有明海に来遊する4月から7月頃までは低い値であったが、産仔の終了する8月から上昇し始め、10月には約2倍に達した。繁殖を終えたナルトビエイは充分な栄養を蓄えた後、11月〜12月にかけて有明海の外へと移動を開始することがわかった。これらの成果は、平成15年度の日本水産学会、日本魚類学会、長崎生物学会などで口頭により発表した。さらに2題の口頭発表を予定している。また、国際誌へ投稿するための論文は現在準備中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 山口 敦子: "有明海のエイ類について-二枚貝の食害に関連して-"月刊海洋. 35・4. 241-245 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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