研究概要 |
日本の入会に関する調査については,山形県を調査地域とし,山形市の図書館などにおいて,山形県林業の位置づけ・現状・歴史的経過などについての整理を行った.また,上山市の入会集団を対象に聞き取り調査を行った.入会集団の規模が小さいほど,集会が頻繁に開かれ,下草刈りなども共同で行われるなど,資源管理が適切に行われる可能性が示唆された.入会集団に関する統計資料は少ないため,農林業センサスを利用した分析も行う必要性がある. スリランカでは,アヌラダプラ県においてベトマと呼ばれる水利慣行を行っている農村と,行っていない農村の各1村を選択し,各60戸(計120戸)の農家調査を行った.人口の増加が水利慣行の消滅を早めていることが確認された.また,相互扶助慣行としての水利慣行の存在が,農村の所得格差を小さくしてきたこともデータから示唆されるが,この点については現在分析中である.
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