本研究の目的は、現在進められている「食品廃棄物対策」と「畜産糞尿対策」が政策的に矛盾をきたしているという認識から、両対策の整合的な推進を行うための方策を実証的に明らかにすることである。 本年度は、畜産糞尿を含む農業廃棄物に焦点を絞り、リサイクル事例の検討を、供給側と需要側との関連で分析を行った。また、昨年度の補足的として、食品廃棄物リサイクルの先進事例の調査を行った。また、法制度については、農業・環境三法についての制度的検討を行い、食品廃棄物政策と畜産糞尿政策の特質についてのとりまとめを行った。 調査事例は、青森県・稲垣村堆肥センター、岩手県・金ヶ崎町堆肥センター、青森県・エドヴィック等であり、食品廃棄物リサイクルに関しては、青森県・五所川原市・イオン柏、青森市中央卸売市場、富良野市堆肥センター、岐阜市中央卸売市場を対象とした。 なお、当初予定していた北海道の家畜糞尿リサイクルに関する調査は、実施できなかったため、次年度(最終年度)に実施する。 以上の結果は、下記の論文のほか、日本農業経済学会、日本農業市場学会、未利用有機性資源リサイクル研究会等でその成果を報告した。
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