研究概要 |
本研究は,食料市場全体の伸び悩みをよそに急成長を遂げている「中食」需要の展開に特に着目し,わが国におけるライフスタイルの変化と食料需要の構造変化の関係を「内食」,「中食」,「外食」という消費形態の視点から実証的に把握し,時系列および横断面データに独創的なモデルを適用して詳細な計量経済分析を行うことにより,分析方法の学術的発展に貢献することを目的とする。既存研究における時系列データを使用した方法を独創的かつ大規模な新モデルにより拡張・精緻化するとともに,横断面の個票データを用いて詳細な裏付けを行い,より信頼性の高い実証結果を探ろうとするものである。 本研究で用いる新しい分析モデルは極めて大規模かつ精緻であり,既存研究で一般に用いられてきた汎用型の計量分析ソフトでは対処が困難とみられるため,技術計算ソフトのMATLABによって新たにプログラムを構築した。さらに,『家計調査』や『全国消費実態調査』の膨大な個票データを効率的に処理するために統計分析ソフトのStataを用いた。分析の過程で得られた新たな知見は,適宜,日本農業経済学会,日本農業経営学会,地域農林経済学会,日本経済学会等において発表し,そこで取得された情報を十分にフィードバックすることによって,本研究を逐次リファインした。
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