本研究の課題は、北部ヴェトナムの中山間地域を主たる対象として持続的農業の成立と農民所得の向上を実現するための技術的・杜会経済的諸条件を解明することである。 研究初年度の平成14年度は、ほぼ当初の研究実施計画にしたがって、下記のとおり調査対象地での農業生産の実態、農家経済の現状、地域農業構造を把握するための基礎的調査を行い、収集したデータや資料の整理分析を中心にして本研究を遂行中である。 (1)調査地選定のための予備調査〔平成14年6月3日〜同6月10日(8日間)〕: ヴェトナム人研究支援者との研究内容及び調査日程の打ち合わせ、中間地・山間地における研究調査候補地2ヵ所の選定と調査の受入れを依頼するための予備調査を実施した。 (2)中間地での農家調査〔平成14年8月3日〜同8月25日(23日間)〕: 比較的豊富な土地資源を背景に果樹などの大幅な導入によって農業の商業化を進める経営を対象として、主に生産物マーケティングの面から所得向上の誤題を調査した。 (3)山間地での農家調査〔平成14年10月24日〜同11月17日(25日間)〕: 限られた水田基盤のもとで、山間地の経営では林地の高度集約的な利用が不可欠である。しかし、この林地利用をめぐっては農家間の収益性格差が広がっている。その現状と要因を明らかにする調査を実施した。
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