不法投棄の件数が全国で2位であり、関東圏内における平場地域における耕作放棄率が最も高い茨城県を対象地として、県内に適切な調査対象地を現地踏査等で選定した。その結果、つくば市N集落を調査対象地とした。ここで、土地の利用と管理の現況を把握するために現地観察調査を1筆毎に実施した。さらに法務局の土地登記簿調査により所有履歴を明らかにした。この結果はマッピングした後、キャドソフトに入力し、その空間的特徴を把握した。このうち、粗放化した地片については、特に農家に対するヒアリング調査によりその経緯を把握した。以上により、N集落の土地所有構造を明らかにし、また粗放化経緯の類型化を行うことができた。すなわち、都市的利用の形態としては、事業所立地型、駐車場型、資材置き場型、廃棄物置き場型(残土)、廃棄物置き場型(その他建設廃材)、廃棄物置き場型(農業・生活系廃棄物)、廃棄物埋設型、廃棄物不法投棄型、複合型に分類された。また都市的利用の所有・管理形態は、所有管理分離型、当該集落転入型、当該集落非転入型、隣接集落型、外部型、公共型に分類された。さらに管理放棄の分類は不動産投機型、遠隔地相続型、事業用地管理低下型、農業事情変化型、公共管理低下型に分類された。なお15年度については、つくば市N集落周辺部の土地利用・管理状況の把握を行い、さらに千葉県I市k集落において同様の調査を行った上で、N集落との比較を行いたいと考えている。
|