研究概要 |
本研究は、森林山地域における融雪水の移動過程や融雪流出機構を明らかにして、適切な積雪・融雪管理モデルを構築することに眼目を置いている。本年度の検討課題は、1,積雪山地域の既設試験流域(A=19.45km^2)内に雪ライシメータを3基設置して、2,浸透融雪量、表面融雪量、流出量、アルベド、積雪深及び積雪密度を測定すること、3,さらには、既設試験流域内の上・中・下流域で積雪量調査を実施することである。 本年度の計画進捗状況と成果は次の通りである。 1,小斜面域(A=1.23m^2)を3セット連結させた雪ライシメータを3基、既設試験流域内に設置して、水文諸量を測定しデータロガーに収録している。収録状況は上首尾である。 2,試験流域の下流域で積雪量調査を2〜3週間ごとに実施している。資料不足は否めないが、それでも積雪水量は積雪水深の一次関数で表現されうることが明らかにされた。なお、上流域周辺部での積雪量調査とそれに伴う、積雪水量と標高との関連性については次年度の検討課題とした。 3,既設試験流域における既往の水文諸量を用いて水文特性を抽出して吟味・検討した結果、水面蒸発量の推定にはマッキンク式が有用であること、当該流域での蒸発散比としては0.74〜0.86が妥当であること、1水年の流出率が0.8程度であること等を明らかにした。 なお、本年度の研究成果を以下の国際会議で発表することにしている。 EGS-AGU-EUG Joint Assembly, Nice, France, 06-11 April 2003. IAHS Sapporo, HW02, 11 July 2003.
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