研究概要 |
地上データの整備 研究対象地域の水稲作付け状況・生育データ等の現地参照データの収集および一部地域の水田区画の輪郭データ(以下,輪郭データ)の作成を行った。水稲作付け状況・生育データは,研究対象地域の農協より提供を受けた情報を整理したものである。輪郭データの作成は,研究対象領域を観測した高分解能人工衛星IKONOSデータにより行った。具体的には,IKONOSデータを1/10,000地形図を参照することで平面直角座標第VIII系へ投影処理した後に目視判読で水田区画の輪郭をトレースする方法をとった。この際,複数時期のIKONOSデータを用いることで,より広範囲,高精度に輪郭データを作成した。 水稲作付面積の高精度推定手法の検討 実利用を睨んだ人工衛星データによる水稲作付面積の高精度推定手法として,人工衛星データから輪郭データを参照することで,水稲作付された水田を区画単位で判別し,区画面積を集計する方法を提案した。本研究の第1段階として,データの入手し易さおよび比較的広範囲・高頻度観測に適している中分解能人工衛星画像(地上分解能15m〜30m)のシミュレーションデーターと輪郭データを用いて提案手法の有効性を検討した。第2段階として,2001年に研究対象領域を観測したTerra ASTER/VNIRデータに提案手法および従来手法を適用し,水稲作付面積の推定を行った。この際,検証データとして,現地参照データおよび2001年観測のIKONOSデータから算出した水稲作付面積を用いた。検証データとの比較の結果,従来手法;推定誤差-13%,提案手法;推定誤差3%となり,提案手法により高精度に水稲作付面積が推定可能であることを示した。
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