研究概要 |
有隈要素法を用いてジオグリードメッシュで補強したセメント複合材パネルの数値解析を行った。環境保全を考慮して木材、煉瓦、アスファルトのようなリサイクル骨材を使ったセメント複合材パネルを用いた。リサイクル骨材のパーセント比を変えたセメント複合材パネルにおけるその大きさと厚さの影響及びジオグリードメッシュの層数や層位置の影響を調べた。種々の境界条件と荷重の下でパラメーターを変えたパターンを試みた。そして数値解析の妥当性を検証するために室内実験を行った。その結果数値解析と実験結果とは良く一致した。ジオグリードメッシュの層数や層位置、補強材,ソイルセメント,骨材の比率に関するパラメータを変えてセメント複合材パネルの強度と重量を制御することによって、セメント複合材が効果的に構造物のコンポーネントとして用いられることができると結論された。 土-補強材間の相互作用が補強土構造物の全体的な性能に重要な影響を与えることを考慮して、垂直応力を変化させた一連の引き抜き実験を行い、補強材の適合性と有効性を調べた。補強材としてのジオシンセティクスはフォートラックとナイロンメッシュから成り、正方形ワイヤーメッシュはその太さが3mmと14mmのものを用いた。補強土の体積変化性状、応力-ひずみ関係や土-補強材の相互作用に直接関連する粘着力とせん断抵抗角を実際の設計、施工に供用できるように種々のチャートと図に表わした。結論的にはジオシンセティクス補強財の引き抜き応力はワイヤメッシュのそれより大きいことが明となった。すべての補強財に対して水平変化が3mm以内では鉛直変化は現れず、そののち若干ばらつきながら増加していくという特徴的な傾向が得られた。
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