ルーメン内セルロース分解細菌Eubactcrium cellulosolvens 5は、代表的なルーメン内セルロース分解菌である、Fibrobacter succinogenesやRuminococcus albusなどに比べ、セルロースに強固に付着することが知られている。私共は本菌よりセルロースへの付着に関係すると考えられるセルロース結合性タンパク質CBPAを見出し、遺伝子のクローニングに成功した。本研究では抗CBPAポリクロナール抗体に反応するタンパク質を発現するクローンのシーケンスを行った。その結果、CBPAのアイソフォームと考えられるCBPB遺伝子(cbpB)を見出した。CBPBはCBPA同様にN末端側にGlycosyl Hydrolaseのファミリー9(GH9>の触媒モジュールが存在した。さらにGH9のC末端側には、CBPAにおいて新規セルロース結合モジュール(CBM)、新規細胞表層結合モジュール(CWAM)と同定された領域と相同性が存在した。大腸菌組換えCBPBタンパク質はアビセルセルロースおよびE..cellulosolvens 5の菌休表層に結合することが明らかになった。CBPBのCBMと考えられる領域は、CBPAのCBMと同様に3つのトリプトファンが存在していた。またcbpB遺伝子の上流をGene Walking PCRでクローニングし、シーケンスした。その結果、cbpB遺伝子の上流にcbpA遺伝子が存在することが明らかとなった。さらにcbpB遺伝子の下流にはGlycosyl Hydrolaseのファミリー3と相同性のあるORF Lysozymeと相同性のあるORFが見つかった。またcbpA遺伝子の上流についてもGene Walking PCRを行い、約4kbpの断片を得た。現在、この断片についてDNAシーケンスの準備をしているところである。
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