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2002 年度 実績報告書

ブタ卵子への精子侵入時におけるヒアルロニダーゼの生理作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14760181
研究機関琉球大学

研究代表者

建本 秀樹  琉球大学, 農学部, 助教授 (70227114)

キーワードヒアルロニダーゼ活性 / ブタ卵子 / ブタ精子 / オリゴ糖 / コンドロイチン硫酸A / 体外受精 / 多精子侵入
研究概要

ブタ卵子の体外受精時における多精子侵入率は極端に高く,その後の胚発生率の低下を引き起こす原因である。一方,卵管粘液中に含まれる糖タンパクが多精子侵入の抑制機序に関与することが報告されているものの,その詳細に関しては未だ不明な点が多い。また,精子細胞膜中に存在しヒアルロニダーゼ活性を有するPH-20は卵透明帯への結合にも関わり,受精時における非常に重要な精子側の因子である。そこで,本研究では,新規ヒアルロニダーゼ阻害剤(ChSAO)を用い,ブタ精子のヒアルロニダーゼ活性に対するChSAOの阻害効果を調べると共に,ブタ卵子の体外受精時におけるChSAOの精子侵入への影響を検討した。
コンドロイチン硫酸Aをヒアルロニダーゼで徹底水解することで得られた四糖のオリゴ糖であるChSAOにより,ブタ精子から粗抽出したヒアルロニダーゼ活性(5.0x10^6 sperm相当)は濃度依存的に阻害された。そして,100μg/ml ChSAOはヒアルロニダーゼ活性を完全に阻害した。次に,受精培地に添加した100μg/ml ChSAOは卵丘細胞卵子複合体への精子侵入率を有意に低下させたが,精子侵入が完全に阻害されることはなかった(42%)。一方,裸化卵では100μg/ml ChSAOによる精子侵入抑制効果は弱かったものの,多精子侵入率が対照区(53%)に比べて著しく減少した(26%)。さらに,ChSAOにより卵透明帯へ、結合精子数の有意な減少が観察された。
これらのことから,ChSAOはブタ精子のヒアルロニダーゼ活性を阻害し卵丘細胞層の通過と透明帯への結合を抑制することが明らかとなった。即ち,ChSAOは受精に関わる精子側因子(PH-20)に作用を及ぼしブタ卵子の多精子侵入の抑制に関与すると推察された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 猪谷富雄 等: "有色米の抗酸化活性とポリフェノール成分の品種間差異"日本食品科学工学会誌. 49・8. 540-543 (2002)

  • [文献書誌] Shigeta K et al.: "Potentiation of nerve growth factor-induced neurite outgrowth in PC12 cells by a Coptidis Rhizoma extract and ptotoberberine alkaloids"Biosci Biotechnol Biochem. 66・11. 2491-2494 (2002)

  • [文献書誌] 建本秀樹: "ブタ卵の対外培養時におけるアスコルビン酸2-O-α-グルコシドの卵細胞質成熟ならびに初期発生能への促進作用"食肉に関する助成研究成果報告書. 20. 31-36 (2002)

  • [文献書誌] 武藤徳男 等: "コンドロイチン硫酸由来オリゴ糖のヒアルロン酸分解阻害作用と生物活性"食品酵素化学研究会第2回学術講演会講演要旨集. 7 (2002)

  • [文献書誌] 建本秀樹 等: "活性酸素によるブタ対外成熟卵の細胞障害:ブタ卵胞液中SODの保護効果について"西日本畜産学会報,2002年度(第53回)大会号. 31 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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