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2002 年度 実績報告書

自己免疫寛容成立におけるB細胞特異的アダプター分子BASHの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 14760194
研究機関大阪府立母子保健総合医療センター研究所

研究代表者

林 克彦  大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 病因病態, 研究員 (20287486)

キーワード自己免疫寛容 / 抗原レセプター / pre-BCR / BASH / CD19
研究概要

B細胞初期分化においてpre-BCRを介したシグナルは、対立遺伝子排除、Dmu蛋白の選択的排除(Dmu選択)、増殖や成熟など様々な細胞反応を惹起する。我々はこれらの細胞反応に至るシグナル伝達におけるBASHおよびCD19の役割について、BASHノックアウトマウス(BKO)およびBASH/CD19ダブルノックアウトマウス(DKO)を用いて解析した。その結果、BKOに比べDKOの骨髄中では、pre-BCRを発現した大型プレB細胞がより多く認められ、B細胞分化はその段階で完全に停止していた。また、DH塩基配列の読み枠の解析によりDmu選択はこれらのマウスにおいて障害されていた。対照的にIgH遺伝子の対立遺伝子排除はいずれのマウスでも正常であった。これらの結果は、成熟・増殖を誘導するシグナルにおいてBASHとCD19は相補的に働くが、対立遺伝子排除にはいずれの分子も必須では無いことを示唆している。また、Dmu選択と対立遺伝子排除の制御にはそれぞれ独立したシグナル伝達経路が存在することが明らかとなった。更にそれぞれのマウスよりpre-B細胞株を樹立し、BASHとCD19の関わるシグナル伝達経路について解析した。その結果、Btkの恒常的なリン酸化はDKO特異的に欠損していた。またBKOおよびDKO双方の細胞株においてERKの恒常的な活性化は認められなかったがpre-BCR架橋によりわずかな活性化が認められた。対照的にJNKの活性化はpre-BCR架橋に関係無く全く認められなかった。以上により、pre-BCRシグナル伝達経路や細胞反応におけるCD19の相補的な役割が明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Katsuhiko Hayashi: "Distinct signaling requirements for Dμ selection, IgH allelic exclusion, pre-B cell transition and tumor suppression in B-cell progenitors"Immunity. (In press). (2003)

  • [文献書誌] Akira Matsumoto: "A Role of Suppressor of Cytokine Signaling 3 (SOCS3/CIS3/SSI3) in CD28-mediated Interleukin 2 Production"Journal of Experimental Medicine. 197. 425-436 (2003)

  • [文献書誌] Yoichi Seki: "Expression of the suppressor of cytokine signaling-5 (SOCS5) negatively regulates IL-4-dependent STAT6 activation and Th2 differentiation"Proc Natl Acad Sci U S A. 99. 13003-13008 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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