エオタキシンとシュードモナス外毒素の融合タンパク質(eotaxin-PE)を用いてアレルギー反応で重要な役割を果たすエオタキシンレセプター発現細胞の除去によるアレルギー性疾患治療法の確立を目指した.今年度は、eotaxin-PE分子の発現とその作用を検討した。 既に報告されているエオタキシンのmRNA配列を参考にしてエオタキシンを恒常的に産生しているマウス空腸よりこの分子のcDNAを得た。これをPseudononas aeruginosaより得られたシュードモナス外毒素遺伝子のうち、細胞結合部位を除いた配列とともに、タンパク発現プラスミドへ組み込んだ。これを大腸菌へトランスフェクトしてeotaxin-PE分子を発現させた。 発現された分子は大腸菌内にインクルージョンボディとして結晶化されたので、不溶性画分を遠心分離にて回収し、これを可溶化した。その結果、SDS-PAGEにて約50KVaの分子が95%以上の純度で得られた そこで、eotaxin-PE分子がエオタキシンレセプター発現細胞に作用するか検討を加えた.レセプターを発現しているマスト細胞を骨髄細胞より誘導し、この培養にeotaxin-PE分子を加えた.しかしながら、100mg/mlの高濃度を加えてもマスト細胞に障害を及ぼす事はなかった.
|