白血球はその活性化・成熟段階により著しく機能的な変化が引き起こされる。本研究助成により、現在までイヌのモデルとして、まずマウスDectin-2プロモーターの転写活性のランゲルハンス細胞での特異性とその制御メカニズムを、様々な刺激の存在下でin vivoおよびin vitroでトランスジェニックマウスを用いて明らかにした。この結果はImmunology誌にTranscriptional Regulation of a 5'-Flanking Region of Dectin-2 Gene in Transgenic Mouse.として投稿予定である。さらにランゲルハンス細胞と相互作用する分子を検索するため、表皮ケラチノサイトより7つの新規分子を同定しBritish Journal of Dermatology誌にIdentification of novel genes for secreted and membrane-anchored proteins in human keratinocytes.として印刷中である。一方、イヌに関してはDectin-2相同分子のクローニングを終え、その発現の選択性を検討している。また、本研究室で樹立された種々のイヌ自然発症悪性腫瘍(扁平上皮癌、基底細胞種、グリオーマ、悪性組織球腫、繊維肉腫、脂肪肉腫、リンパ腫、移行上皮癌、平滑筋肉腫など)にマウスのDectin-2プロモーターにレポーター遺伝子としてルシフェラーゼ組み込んだベクターを導入したところ、樹状細胞由来である悪性組織球腫の細胞株にのみその発現が認められ、動物種をこえた転写活性の特異性が明らかになってきた。
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