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2002 年度 実績報告書

好塩性酵素を産業に生かす

研究課題

研究課題/領域番号 14760211
研究機関鹿児島大学

研究代表者

石橋 松二郎  鹿児島大学, 農学部, 助手 (20305163)

キーワード高度好塩菌 / 好塩性酵素 / ヌクレオシド二リン酸キナーゼ / folding
研究概要

本年度の研究実績
1.沈降平衡法によるサブユニット構造の解明
高濃度の塩にさらされたNDKと低濃度の塩にさらされたNDKのサブユニット構造を解明する為に沈降平衡法による解析を行った結果、高濃度塩存在下では6量体、低濃度塩存在下では2量体を形成していることがわかった。よく研究されている好塩性酵素malate dehydrogenase(MDH)は低濃度の塩にさらされると不可逆的にモノマーに変性するのに対して、このNDKは2量体にとどまる事が出来、この事により低濃度の塩にさらされても活性を保持しているのだろうと推察される。
2.CDによる2次構造の解明
高濃度の塩にさらされたNDKと低濃度の塩にさらされたNDKの2次構造を解明する為にCDによる解析を行った結果、α-ヘリックス含量はそれぞれ、29%、19%であり、構造変化が示唆された。この構造変化によりサブユニット構造の変化がおきているのだろうと推察される。
3.リフォールディングの検討
安定性や活性に塩が必要でないので、この酵素にとって塩はどのような働きをしているのかを調べる為に、この酵素のfoldingに対する塩の効果を検討した。NDKのin vitro refolding系を作り、塩と、適合溶質であり荷電をもたないトリメチルアミンN-オキシド(TMAO)の効果を調べた。NaClは塩的効果と疎水的効果をもち、TMAOは疎水的効果だけをもつ。NDKは2M以上のNaCl、そして4MのTMAOにより活性を回復した。塩による活性の回復は予想できたが、適合溶質のみの存在下で100%巻き戻ったのは最初の例である。TMAOでの巻き戻りはpH依存性が見られ、pH8.0では活性の回復が見られなかった。この状態に低濃度のNaClを入れると活性の回復が見られた。この事は好塩性蛋白に対する塩の効果は二面性があり、薄い濃度では蛋白表面の負電荷のシール、高い濃度では更に疎水的相互作用を強化するというLanyiの説を実験的に示した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 石橋 松二郎: "Secondary and quaternary structual transition of the halophilic archaeon nucleoside diphosphate kinase under high-and low-salt conditions"FEMS Microbiology Letters. 10697. 1-7 (2002)

  • [文献書誌] 徳永 正雄: "好塩菌のヌクレオシド二リン酸キナーゼは変わり者?"化学と生物. 41巻1号. 5-7 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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