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2002 年度 実績報告書

上皮細胞の分化過程を担う細胞内メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 14770009
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

向後 晶子  藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (20340242)

キーワード腎臓 / 上皮 / DLG / 発生
研究概要

腎臓の上皮細胞分化におけるDLGタンパク質の役割を明らかにするため、今年度は当初の研究計画に基づき、第一に正常マウス腎臓におけるDLGの発現パターンの解析を行った。まず始めに、成体マウス腎臓におけるDLGの発現部位を、組織特異的マーカーを用いて検討したところ、DLGタンパク質は、集合管、近位尿細管、遠位尿細管を構成する上皮細胞の、基底部または基底側壁部に分布していた。そこで、発生途上の腎臓で、これらの上皮細胞の発生段階のどの時期にDLGの発現が開始するかを追跡したところ、集合管での発現は、その原基である尿管芽が後腎原基に侵入する時期(胎齢12.5日)から一貫して強い発現が見られるのに対し、尿細管を構成する間充織細胞由来の細胞では、尿管芽先端周囲に間充織細胞が凝集する時期にmRNA発現の亢進およびタンパク質レベルでの細胞膜への凝集が開始することが確認された。
第二に、DLGノックアウトマウスの解析から、DLG遺伝子の欠損により、腎臓の矮小化が見られることが明らかになった。このことは、腎臓発生初期の尿管芽の生育にDLGが深く関与することを示唆するものと考え、現在さらに解析を行っている。
さらに、in vivoの解析とは別に、上皮細胞におけるDLGとAPCの相関関係を探るため、イヌ腎臓由来の上皮細胞株MDCK細胞における両タンパク質の細胞内局在を検討中である。現在までに、極性を形成しない培養条件では、細胞の突起部先端にAPCタンパク質が局在することを確認している。今後、さまざまな培養条件下で両者の細胞内分布を検討し、既に報告されているDLGとAPCとの結合能が、上皮細胞内のどのような局面で機能しうるのか、考察していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kitamura K, Iizuka-Kogo A, et al.: "Mutation of ARX causes abnormal development of forebrain and testes in mice and X-linked lissencephaly with abnormal genitalia in humans"Nature Genetics. 32. 359-369 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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