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2002 年度 実績報告書

グレリンによるインスリン分泌機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14770017
研究機関自治医科大学

研究代表者

出崎 克也  自治医科大学, 医学部, 助手 (90337329)

キーワードグレリン / インスリン / GHS-R / 細胞内Ca^<2+> / β細胞 / 血糖値
研究概要

グレリンは、オーファン・レセプターである成長ホルモン放出促進因子受容体(GHS-R)の内在性リガンドとしてヒトおよびラットの胃から精製されたアミノ酸28個からなる新規ペプチドである。本研究は、膵臓におけるグレリンのインスリン分泌調節機構を明らかにすることを目的とする。
1.グレリン投与による血糖値の変化
一晩絶食させたマウスの腹腔内にグレリン(0.1-10nmol/kg)を投与すると、容量依存的に血糖値の上昇が観察された。一方、グレリン受容体(GHS-R)拮抗薬([_D-Lys^3]-GHRP-6および[_D-Arg^1,_D-Phe^6,_D-Trp^<7,9>,Leu^<11>]-substance-P)は、血糖値を低下させた。
2.グレリンのインスリン分泌抑制作用
ラット膵臓からコラゲナーゼ法により単離したランゲルハンス島を用いて、ELISA法にてインスリン分泌を測定した。その結果、グレリン(10^<-10>-10^<-8>M)は容量依存的にグルコース(8.3mM)誘発インスリン分泌を抑制した。一方、低濃度グルコース(2.8mM)条件下では、グレリンはインスリン分泌に影響しなかった。
3.細胞内Ca^<2+>動態に対するグレリン作用
ラット膵臓ランゲルハンス島から単離したβ細胞にCa^<2+>感受性蛍光色素(fura-2/AM)を負荷し、細胞内Ca^<2+>濃度の変化を蛍光画像解析法を用いて測定した。その結果、グレリン(10^<-8>M)はグルコースおよびロイシン刺激による膵β細胞内Ca^<2+>濃度増加反応を抑制したが、トルブタミド、KClおよびアセチルコリン刺激によるCa^<2+>濃度増加には影響しなかった。
以上の結果から、内在性のグレリンが空腹時における過度な低血糖状態を防御している可能性が考えられる。その機序として、グレリンは膵臓β細胞におけるATP依存性Kチャネルの閉鎖過程より上流(おそらくグルコース代謝過程)に作用してインスリン分泌を抑制することが示唆された(第46回日本糖尿病学会発表予定)。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 加計正文: "インスリン分泌のイオンチャネル機構"日本臨床. 60巻・増刊号7. 180-189 (2002)

  • [文献書誌] 中田正範: "インスリン分泌におけるカルシウムシグナリングの役割"糖尿病ナビゲーター. 38-39 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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