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2002 年度 実績報告書

RBタンパク質の部位特異的リン酸化および分解による標的遺伝子の選択的発現制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 14770044
研究機関浜松医科大学

研究代表者

内田 千晴  浜松医科大学, 医学部, 助手 (60223567)

キーワードRBタンパク質 / 細胞周期 / 癌 / ユビキチン
研究概要

[研究目的]RB経路はp53経路と並ぶ2大癌抑制経路の一つであり、その異常は標的遺伝子の発現制御機構を撹乱して細胞増殖および癌化に大きな影響を与える。p53タンパク質はリングフィンガーを持つ癌遺伝子産物Mdm2によってユビキチン依存的分解を受け、ARFがそれを抑制的に制御している。一方でRBタンパク質の分解機構はほとんど不明であった。本研究課題ではRBタンパク質のユビキチンリガーゼの同定を目指し、RBタンパク質の分解機構を明らかにすることを目的とした。
[方法と結果]RBタンパク質のユビキチン化を解析するためにin vivoおよびin vitroアッセイを構築した。この細胞内および再構成系でMdm2はRBタンパク質と結合してRBタンパク質を効率よくユビキチン化した。興味深いことにMdm2はRBファミリーの中でRBタンパク質だけを特異的にユビキチン化した。また、ARFはRBタンパク質のユビキチン化を抑制した。細胞にMdm2を過剰発現するとRBタンパク質の分解速度が亢進し、プロテアソーム阻害剤やドミナントネガティブMdm2で分解が阻害されることがわかった。さらにSaOS2細胞を用いたRB経路の機能アッセイで、Mdm2によりRB経路が抑制されることが判明した。現在この新経路の細胞癌化における機能を検討している。G1サイクリン-CDKによるRBリン酸化のみならず、Mdm2によるRBタシパク質ユビキチン依存的分解によってもRB経路は抑制され、細胞の癌化の一因となると考えられる。ARFはp53とRBの両経路においてこれらの分解を抑える機能を持つことから、癌抑制因子としての重要性が再認識された。RNAi法などを用いて今後さらに解析を進める予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Uchida, C. et al.: "The role of Sp1 and Ap-2 in basal and protein kinase A-induced expression of mitochondrial serine : pyruvate aminotransferase in hepatocytes"Journal of Biological Chemistry. 277. 39082-39092 (2002)

  • [文献書誌] Mizuno, T et al.: "Analysis in transfected cells and in vitro of a putative peroxisomal targeting signal of rat liver serine : pyruvate aminotransferase"Histochem. Cell Biol. 118. 321-328 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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