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2002 年度 実績報告書

白血病誘発性レトロウイルスの潜状化・再活性化機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14770135
研究機関特殊法人理化学研究所

研究代表者

田島 茂  理化学研究所, 分子ウイルス学研究ユニット, 基礎科学特別研究員 (60311346)

キーワードウシ白血病ウイルス / 潜伏化 / 再活性化 / メチル化 / PKC
研究概要

ウシ白血病ウイルス(BLV)は地方病性牛白血病(EBL)の原因ウイルスである。感染個体内でのBLVの発現は、感染後一過性に上昇した後潜伏化する。一方感染個体の末梢血リンパ球を培養するとウイルス発現は速やかに再活性化する。これらの機構は、ウイルスが個体内で生存し、さらに伝搬する上で非常に重要と考えられる。本年度はBLVの潜伏化・再活性化機構の解明を目標とし、メチル化がウイルス転写制御領域(LTR)依存的転写に及ぼす影響、プロウイルスLTRのメチル化状態、および再活性化に係わるシグナル伝達経路について調べた。LTRを連結したレポータープラスミドをメチラーゼ処理した後、転写活性を測定したところ、メチラーゼ非処理のものに比べ転写量が顕著に低下した。次に、BLV感染健康牛、BLV感染持続性リンパ球増多症牛、EBL牛、およびBLV感染健康羊の感染細胞中のプロウイルスLTR上の転写制御コア領域U3領域およびR領域の一部のメチル化状態を調べた。すると発症ステージやBLVの発現量に関係無く、ほとんどメチル化されていないことが明らかとなった。これより本領域のメチル化は、転写を抑制する能力は有するものの、BLVの潜伏化には関与しないことが示唆された。次にウイルスの再活性化条件を定量的RT-PCR法により検討した。すると採血後の全血あるいは白血球を37℃で保温するだけで速やかに再活性化が引き起こされた。またこの再活性化はPKC阻害剤の添加により抑制された。そこで保温前後でのPKCの活性状態を調べるため、PKCの局在およびリン酸化状態を調べた。すると保温後、膜に局在するリン酸化PKC量が増加したことから、白血球中のPKCが採血後の保温により活性化されることが明らかとなった。以上より採血後PKC経路が活性化され、これによりプロウイルス発現が活性化される可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tajima S., Takahashi M., Takeshima S., Konnai S., Yin S.A., Watarai S., Tana, Tanaka Y., Onuma M., Okada K., Aida Y.: "A mutant form of the Tax protein of bovine leukemia virus (BLV), with enhanced transactivation activity, increases expression and propagation of BLV in vivo but not in vivo"Journal of Virology. Vol.77, No.3. 1894-1903 (2003)

  • [文献書誌] Tajima S., Tsukamoto M., Aida Y.: "Latency of viral expression in vivo is not related to CpG methylation in the U3 and part of the R region of the long terminal repeat of bovine leukemia virus"Journal of Virology. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Konnai S., Takeshima S., Tajima S., Yin S.A., Okada K., Onuma M., Aida Y.: "The influence of ovine MHC class II DRB1 alleles on immune response in bovine leukemia virus infection"Microbiology and immunology. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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