研究概要 |
1)in vivo免疫応答におけるGab2の役割の解析 Gab2をT細胞に特異的に発現させたlck proximal promoter-Gab2(WT) Tgマウスにおいて、KLH+CFA免疫後の抗体産生、in vitro 2次抗原応答に関して、litter mate non Tg controlに比べ顕著な低下が見られた。ところが、後述のPxxxRモチーフを欠損させた変異体、Gab2(ΔPro) Tgマウスにおいては低下は認められなかった。これらより、in vivo免疫応答においてもGab2はT細胞応答を低下させ、その機能にはPxxxR motifが必須であることが明らかとなった。ところが、実験的アレルギー性脊髄炎(EAE)に関しては、Gab2(WT) Tgマウスでもnon Tgマウスと同等に誘導され、その抑制効果に特異性があることが判明した。 2)Gab2によるT細胞活性化抑制機構の分子メカニズムの解析 Gab2に存在するnovel SH3 binding motif(PxxxR)がGads/Grb2を介したLATとの結合に必須であり、このLATとの結合によるraftへのリクルート、SLP-76との拮抗が抑制活性に重要であることを示し、論文発表した(Yamasaki, et al. Mol. Cell. Biol. in press)。 3)TCR Tgとの交配による胸腺未熟T細胞分化への影響 H-Y TCR-TgとGab2 (WT) Tgとを交配させたダブルTgマウスにおいて、positive selection, negative selection共に障害されることが見出された。ところが、H-Y×Gab2(ΔPro)ダブルTgマウスでは分化に変化は認められず、胸腺細胞分化においてもPxxxR motifがその抑制活性の発揮に必須であることが示された。
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