マウスマスト細胞株であるMC/9より採取したmRNAを用いてcDNAライブラリーを作成した。さらに、別のマウスマスト細胞株であるPT18よりもmRNAを採取し、このcDNAライブラリーを作成中である。MC/9のcDNAライブラリーについては、これを、BaF3細胞にトランスフェクションした後IL-15存在、IL-3非存在下で培養しIL-15反応性の株を選択した。その結果3株が得られた。これらをIL-3、IL-15ともに非存在下で培養したところ、いずれもIL-15非依存的に生存することが確認された。念のため、それらの株に発現されている遺伝子をシークエンスにより確認されたところ、そのうちの1つは既知のアポトーシス抑制因子であるBcL-2であった。他の2つについては一部、報告されている配列と異なる所が見られるため、現在さらに解析中である。今後それらの解析をさらに行っていきたい。しかし、レセプターの配列との相同は見られずIL-15のレセプターとは無関係と考えられた。既知の配列が得られたことから、十分精度の良いcDNAライブラリーができたと考えているが、IL-15レセプターの同定には至っていないため、今後再度mRNAを採取しなおし、cDNAライブラリーを新規に作成していく予定である。また、現在得ているcDNAライブラリーに関しては、再度BaF/3細胞にトランスフェクションしてIL-15依存性の株を選択しなおす予定である。
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