研究概要 |
夜勤時刻帯にとる仮眠の長さや時刻の条件を変えることにより,夜勤における仮眠後の覚醒水準を維持するために最も効果的な仮眠の配置を検討するための実験を行なった.実験期間は2003年2月3日.3月23日であった.被験者は公募により募集した,健康で深夜アルバイトを行っていない男子大学生6名(平均年齢±標準偏差,20.3±1.5歳)であった.被験者は実験室において実験初回にのみ1日目と2日目に7時間(0000-0700)の適応夜睡眠と基準夜睡眠をとった.その後,プラント監視労働を模擬して,2200-0800まで模擬夜勤を行った.模擬夜勤時には,0000開始の120分条件と60分条件,0400開始の120分条件と60分条件,仮眠なし条件の,計5条件で仮眠をとらせ,模擬夜勤後には昼間睡眠(1130-1730),夜間睡眠(0000-0700)を全条件でとらせた.各条件とも1実験は3泊4日で行い,実験間隔は1週間以上あけてから次の実験を行った.模擬夜勤時は,被験者には仮眠時間以外は基本的に,毎時間で初めの30分を労働負担としてキーボード入力による英文転写課題を行わせ,後の30分では自記式の自覚症状アンケート,パソコンによるパフォーマンステストを行わせて,作業量や眠気,疲労感,作業パフォーマンスの変化を調べた.また仮眠による,その後の睡眠の睡眠構造への影響を調べるため,仮眠時,昼間睡眠時,夜間睡眠時の睡眠脳波を携行型脳波計により連続測定した.また実験中は,睡眠時,覚醒時ともに仮眠による体温リズムヘの影響や眠気との関係を調べるため,直腸温の24時間測定を行った.実験結果については,現在解析中である.
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