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2003 年度 実績報告書

血管内皮前駆細胞の投与は肝再生促進の治療法と成り得るか

研究課題

研究課題/領域番号 14770260
研究機関久留米大学

研究代表者

谷口 英太郎  久留米大学, 医学部, 助手 (50341318)

キーワード血管内皮前駆細胞 / 肝再生
研究概要

昨年度、我々はヒトの末梢血から血管内皮前駆細胞の分離、培養に成功したことを報告した。この細胞を肝障害を引き起こした雄性ヌードマウスに移植し、肝再生促進するような働きを持っているかどうか検討した。
雄性ヌードマウスに四塩化炭素を腹腔内投与し、肝障害モデルマウスを作製した。四塩化炭素投与後1日目に経脾的に血管内皮前駆細胞(一匹あたり10^5個をPBS 100μlに希釈)を移植した。対照群には同日にPBSのみを経脾的に投与した。四塩化炭素投与後七日目における生存率は、対照群では14匹中4匹(28.6%)が生存したのに対し、血管内皮前駆細胞移植群では14匹中12匹(85.7%)が生存した。以上のことから血管内皮前駆細胞移植により四塩化炭素による肝不全死を軽減させる動きがあるのが確認された。
どういった要素により肝不全死が経減されたのかを検討した。四塩化炭素投与後二日目の血液中のALT値は両群で差がなかったことより、血管内皮前駆細胞移植を行っても肝壊死の程度には変化がないことが示された。またTUNNEL法により肝細胞のアポトーシスについても検討を行ったが、この実験系においてはアポトーシスによる肝細胞死は関与していないことが明らかになった。以上のことから肝細胞の増殖が促進されたことで肝不全死が軽減したと考えられたため、PCNA染色により肝細胞の増殖活性を検討した。
四塩化炭素投与後二日目におけるPCNA陽性肝細胞(PCNA labeling index)は、対照群においては11.7%であったのに対し、血管内皮前駆細胞移植群においては82.8%と著明に増加しており、肝細胞増殖が活性化していることが示唆された。
以上のことより血管内皮前駆細胞の移植により肝細胞の増殖化し、肝不全死が回避されたことが明らかとなった。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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