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2002 年度 実績報告書

気管支喘息病態へのウイルス感染の関与とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 14770275
研究機関長崎大学

研究代表者

松瀬 厚人  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (60336154)

キーワード気管支喘息 / Respiratory syncytial virus / サイトカイン
研究概要

Respiratory syncytial virus (RSV)は乳幼児において気管支喘息の発症や増悪に関係するといわれている。一方、成人では不完全な免疫獲得のためRSV感染が繰り返しおこるが、無症候性感染が多く、これは低力価RSV感染によると考えられる。我々は宿主免疫能には影響するが、肺に炎症をおこさない低力価RSV単回感染及び再感染がダニ感作アレルギー性喘息マウスに与える影響をメサコリン吸入に対する気道過敏性、肺組織像、縦隔リンパ節分離単核球からのIL-5,IFN-γの産生と血清IgE値によって検討した。Normal BALB/C (Cont)マウスヘの低力価RSV単回感染は気道過敏性や肺組織像に影響しなかったものの肺でのRSV複製と縦隔リンパ節よりIFN-γの産生増加を認めた。ContマウスへのRSV再感染ではダニ感作アレルギー性マウス(AS)と同様に気道過敏性の亢進を認めるものの、ASマウスと比較して肺組織像は軽度の炎症細胞の浸潤を示し、縦隔リンパ節からはIFN-γの著明な上昇を認めた。ASマウスヘの低力価RSV単回感染では、気道過敏性は消失し、肺組織像では炎症細胞浸潤は軽度になった。縦隔リンパ節でIL-5は軽度減少しIFN-γの著明な上昇を認めた。一方、ASマウスヘのRSV再感染ではASマウスと比較して気道過敏性は著明に亢進し、肺組織像も炎症細胞浸潤が高度であった。縦隔リンパ節ではIL-5が著明に増加した。血清総IgE値はContマウス、ASマウスともに感染前後で有意差はなかった。低力価RSVは喘息マウスヘの単回感染ではアレルギー性気道炎症に対してTh1サイトカインの増加により、アレルギー性気道炎症を抑制するが、再感染ではダニ抗原との相乗作用でTh2サイトカインの著明な増加によりアレルギー性気道炎症を増強する。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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