研究概要 |
経血管的に冠動脈よりマウスの心臓へ注入し、心筋細胞で遺伝子を発現させる方法を用い、マウスにおける経血管的な心臓への遺伝子導入方法を確立する実験を行った。そして、コンダクタンスカテーテルを用いた左室圧容積関係による経血管的な心機能評価を含め、サイトカイン(IL-10,IL-12等)やIκB-α等の遺伝子発現の影響を解析した。1.ウイルス性心筋炎マウスモデルにおける血行動態の基礎データ:同モデルにおいて、慢性期における血行動態上の変化をコンダクタンスカテーテルを用い、左室圧容積関係による経血管的な心機能評価を行った。2.経血管的な遺伝子導入法の検討:微細カテーテルおよび新開発のデバイスを用い動脈からのアプローチにより、心臓組織へサイトカイン遺伝子を注入し、その発現をPCR法により確認した。(特許出願予定)3.サイトカイン遺伝子発現の時間経過の検討:サイトカイン遺伝子の発現を時間経過から検討した。4.種々の遺伝子発現のウイルス性心筋炎マウスモデルにおよぼす影響の検討:種々の遺伝子発現の影響を分子レベルで解析した。また、コンダクタンスカテーテルを用い、経血管的に左室圧容積関係から心機能評価を行い、サイトカイン等の血行動態への影響を解析した。これらの研究は、ウイルス性心筋炎、拡張型心筋症、および心不全の病態への関与の解明と、サイトカイン等の遺伝子治療法に発展する可能性がある。
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