研究概要 |
事前に慶応義塾大学の倫理審査において研究計画・意義・危険性につき同意を得る。ヒト膀帯血を入手するにあたり、患者夫婦に膀帯血の採取法、危険性や研究結果の発表方法(個人が特定されることはなくプライバシーが保たれることなど)等につき情報提供を行い膀帯血採取の同意を得る。 ヒト膀帯血を入手後にヘパリンを混入し凝血を予防する。比重の違いを利用してヒト膀帯血より赤血球、血小板等の不要と思われる細胞を除き単核細胞のみを分離する。ヒト膀帯血の表面抗原を様々な抗ヒト表面抗原抗体に反応させflow cytometryを用いて解析、分離を行う。ある特定の表面抗原を呈する単核細胞集団を用い、ある特定の基質への反応性の違いから更なる細胞集団の分離精製を繰り返す。そこで得られた、細胞は特定の培養条件下において増殖能と分化性が維持されることが確認された。 ここで得られた細胞に対して、様々なスクリーニングを行った結果から特定の基質と、増殖因子を組み合わせることにより一定の確立で心筋細胞が誘導されることが確認された。この細胞は自己拍動を開始し、心筋細胞特異的な転写因子、収縮蛋白、分泌因子などの発現がRT-PCR, Nortern blot, Western blot, Immunostainingなどの手法により確認された。 この細胞を用いることにより、心筋梗塞モデル、心不全モデルの動物に細胞移植を行い、心機能改善・予後改善の程度を検討している。
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