GM-CSF投与ラット心筋梗塞モデルにおいて、末梢血白血球数及び単球数を測定し、結紮2日後に白血球数が、4日後に単球数がGM-CSF非投与心筋梗塞モデル及びSham群に比し高値を認めた。この事より、GM-CSFが心筋梗塞後の白血球及び単球増加を亢進させる事を確認した。2週モデルにおいて心エコー、カテ先マノメーターを用いて左室機能、血行動態の測定を行ったところ、GM-CSF投与群において心エコー上LVEDPの増加、カテ先マノメーター上LVEDDの上昇を確認した(GM-CSF非投与心筋梗塞モデル及びSham群に比し)。 左室心筋組織におけるGM-CSF、TGF-β_1、MCP-1の発現をImmunoblottingで検討し、2週モデルにおいてGM-CSF投与群では、梗塞部だけではなく非梗塞部にて発現が亢進していた。同様に心筋組織におけるTGF-β_1、オステオポンチンの発現をRnase Protection Assay法にてRNAレベルで2、6週後と時系列にて比較検討し、2週モデルにて梗塞部だけでなく非梗塞部においてもSham群と比較し発現の亢進を確認した。また2週後の非梗塞部での上記サイトカインの発現は、6週モデルのGM-CSF非投与群と同等の発現亢進を認め、GM-CSFが左室リモデリングを加速する作用を有する事を確認する事が出来た。そして、梗塞後左室リモデリングの進展に炎症性サイトカインが深く関わっている事を再確認した。
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