研究概要 |
現在までHuman EC-SODのpromoter領域に関する報告は全く認められていない。しかしmRNA transcription start siteの推定は、1994年にFolz RJらがprimer extension法を用いて報告しており(Folz RJ.et al., Genomics. 1994 Jul 1;22(1):162-71.)、またNCBI(National Center for Biotechnology Information)に別のmRNA transcription start siteが登録されている。そこでこの二つの報告に基き、各々の5'上流領域のDNA配列約200bpをPCR法にて増幅し、liciferase発現Vector(pGL3 Basic, Promega)に組み込みpromoter活性をもつか否かを検証した。得られたplasmidはEC-SOD蛋白を発現しているVascular smooth muscle cell、Fibroblast、Hela cell及び、発現していないHepG2 cell、HEK293 cellにtransfectionを行ったが、明らかなpromoter活性を得ることが出来なかった。このことより報告のあるmRNA transcription start siteの推定は誤っている可能性があると考えた。そこでより正確なmRNA transcription start siteの推定が可能であるOligo-capping法で検討したところ、以前の報告とは異なった結果を得た。この結果を基にその5'上流領域のDNA配列をPCR法にて増幅し、luciferase発現Vectorに組み込み、同様にFibroblastにTransfection行ったところ強いpromoter活性を確認することができた。主たるPromoter活性はおよそ200bpのDNA領域に認められ、EC-SOD蛋白を発現していない機構について検討する予定である。
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