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2003 年度 実績報告書

容量負荷心不全における成長ホルモン受容体の発現と心筋細胞分化への関与

研究課題

研究課題/領域番号 14770351
研究機関山梨大学

研究代表者

星合 美奈子  山梨大学, 医学部附属病院, 助手 (30334866)

キーワード容量負荷心不全 / 成長ホルモン / 成長ホルモン受容体 / 心筋細胞内カルシウム動態 / 未熟心筋細胞
研究概要

1 容量負荷心不全ラットにおける心機能評価:生後4〜6週のWistarラットを用い容量負荷群およびコントロール群を各15例ずつ作成し、術後4週まで生存した各11例に対して実験を行った。さらに容量負荷に加え成長ホルモン(GH)の直接効果を比較するため、容量負荷+GH投与群11例について検討した。容量負荷群ではコントロールに比べ左室径の拡大、心収縮力の増大がみられた。また、左室拡張末期圧、中心静脈圧は上昇していた。GH投与群ではさらに心収縮力の増大があったが、左室拡張末期圧は上昇していなかった。
2 心筋組織学的検索:容量負荷群はコントロール群より左室後壁径が増大しており、心筋の繊維化がgrade2、3までみられたものがそれぞれ11%あった。しかしGH投与群では、grade2以上の繊維化はみられなかった。
3 心筋細胞内カルシウム動態の評価:各群3例ずつを用いて評価した。相対的な細胞内Ca流入量、流入速度、および流出速度について検討したが、有意な差はなかった。
4 GH受容体(GHR)の定量的評価および局在の同定:容量負荷群、コントロール群各6例ずつを用いた。左室心筋組織からRNA抽出を行いPCR(real time)でGHR発現量を評価した。術後4週では容量負荷群では,GHRが2.3倍発現していた。心筋細胞内でGHRが発現していたが、局在は明確ではなかった。
5 容量負荷左室心筋組織中の未熟細胞の評価:シャント作成ラットにGH 3U/kg/dayを連日投与し、投与開始後2、4、8週間後の左室心筋を摘出した。抗CD34抗体、抗Sca-1抗体を使用し各群3例ずつ心筋細胞のフローサイトメトリーを行ったが、いずれも検出されなかった。
以上から、容量負荷心筋では心収縮力増大、心筋肥大がありGH投与によるのと同様な反応があること、容量負荷により心筋細胞でのGHR発現量が増大することがわかった。しかし容量負荷とGHによる未熟心筋細胞の出現は、明らかにできなかった。またGH欠損ラットにおける評価を試みたが、シャント作成後の全身状態が不良であり実験不能であった。今後も容量負荷心筋組織中の未熟細胞の出現について、追加実験を行う予定である。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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