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2002 年度 実績報告書

小児急性脳炎におけるサイトカインネットワークの解明とその治療的応用

研究課題

研究課題/領域番号 14770354
研究機関信州大学

研究代表者

関口 幸男  信州大学, 医学部・救急集中治療医学講座, 助手 (80343193)

キーワードサイトカイン多項目同時測定 / 実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE) / マイクロビーズ / フローサイトメトリー
研究概要

マウスにおける実験的自己免疫性脳脊髄炎(experimental autoimmune encephalomyelitis : EAE)で、同一個体における経時的な血清採取を行い、血清中サイトカインの多項目同時測定を行った。マウスでの経時的な血清採取は、1回あたり50μl程度の採取が限界であった。しかし、マイクロビーズとフローサイトメトリーを組み合せたサイトカイン測定法により、50μlの血清によりマウスのIL-2,IL-4,IL-5,IFN-γ,TNF-αの5種類を同時に測定することが可能であり、検体必要量・工程・時間・信頼性を格段に向上させることが可能だった。
実際のサイトカイン測定では、マウスEAEにおける血清中のサイトカインの上昇は認められなかった。症状の程度や、発病後の日数に関わらずマウス血清中の各サイトカインは、測定系の測定限界である20pg/ml以下であり、血清でのサイトカイン値はマウスEAEでは大きな変化を来さないと考えられた。今後、測定限界をより低めることが変化を得るためには必要と考えられ、他の項目追加を検討する必要があると考えられた。
血清でのサイトカイン値に有意な変化を得られなかったことから、マウスでの髄液採取を試みたが、各個体で1-2μlの採取が限界であった。ラットでは50μl程度の髄液を経時的に採取可能であったが、ラットにおけるマイクロビーズによるサイトカイン測定系は現時点で開発中であり、今後に研究を進めてゆきたい。
微量検体によるサイトカイン多項目測定は有用な方法と考えられたが、激烈な麻痺症状にも関わらず、血清サイトカインでは大きな変化が得られなかったことは、マウスEAEは中枢神経系に限局する特異な病態であることが推察された。今後、血清と髄液の比較、ヒトの脳炎・脳症での測定を進め、サイトカインネットワークの解明を進めてゆく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sekiguchi Y, et al.: "Granulocyte macrophage-colony stimulating factor delays neutrophil apoptosis and primes its function through la-type phosphoinositide 3-kinase"Journal of Leukocyte Biology. 72(5). 1020-1026 (2002)

  • [文献書誌] 関口幸男, 他: "可溶性ELAM-1,可溶性ICAM-1,遊離p-selectinの熱性痙攣と脳炎・脳症における比較"日本小児科学会雑誌. 106(2). 261(suppl) (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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