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2002 年度 実績報告書

小児心疾患におけるカルシウムシグナルの役割

研究課題

研究課題/領域番号 14770368
研究機関熊本大学

研究代表者

中村 公俊  熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (30336234)

キーワードcalreticulin / カルシウム / トランスジェニックマウス / cre recombinase / 心臓 / 発生
研究概要

Calreticulinは心筋細胞の発生に重要な役割を果たしているカルシウム結合タンパクである。本研究ではcalreticulinの発現レベルを心臓発生の各段階において調節できるトランスジェニックマウスの作成を試みた。まず、Cre-loxPシステムを用いたトランスジーンによる発現調節系を作成することに成功した。私が作成したこのトランスジーンは、loxP配列間に存在するストップコドンを持つ。そのloxP配列の5'側にユビキタスなプロモーター、3'側にcalreticulin cDNAをコードしており、calreticulinの過剰発現を抑制している。このトランスジーンを用いて、in vitroでCre recombinaseを発現させることにより、calreticulinの過剰発現を誘導することが可能であることを確認した。さらにこのトランスジーンを用いて、トランスジェニックマウスを作成した。今後心臓特異的なCre recombinase発現マウスとの交配を行ない、その表現型を同定する。一方、私がこれまでに作成したcalreticulin欠損マウスを用いて、この欠損マウスの心臓発生の異常が、細胞質に存在するカルシウム結合タンパクであるcalcineurinにより調節されていることを明らかにした。Calreticulin欠損マウスは、心臓の発生異常により胎生致死である。しかし、calcineurinシグナルが常に活性化しているトランスジェニックマウスとの交配により、calreticulin欠損マウスに活性型calcineurinを発現させた。すると心臓の発生異常を示す表現型が軽減され、出生後も生存しているマウスが出現した。このことにより、calreticulinによる心筋発生のシグナルにcalcineurinによる調節が重要であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Gao, B., Nakamura, K.et al.: "Assembly and antigen-presenting function of MHC class I molecules in cells lacking the ER chaperone calreticulin"Immunity. 16,99-109 (2002)

  • [文献書誌] Li, J., Nakamura, K.et al.: "Calreticulin reveals a critical Ca2+ checkpoint in cardiac myofibrillogenesis"J. Cell Biol.. 158. 103-113 (2002)

  • [文献書誌] Arnaudeau, S., Nakamura, K.et al.: "Calreticulin differentially modulates calcium uptake and release in the endoplasmic reticulum and mitochondria"J. Biol. Chem.. 277. 46696-46705 (2002)

  • [文献書誌] Guo, L., Nakamura, K.et al.: "Cardiac-specific expression of calcineurin reverses embryonic lethality in calreticulin-deficient mouse"J. Biol. Chem.. 277. 50776-50779 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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