研究概要 |
1.平成15年度は2年計画である本計画の2年目に当たり、本年度は収集したデータの解析を行なった。14年度に定量解析可能な高解像度のMRI画像を撮影した熱性けいれん患者3人について、大脳の脳溝・脳回や白質深部構造物について検討したが、明らかな萎縮などの容量減少は見られなかった。年齢による脳重量への影響もあり、症例の定量結果の比較についてはさらなる検討が必要と考える。現時点では明らかな萎縮などの局所的もしくは全般的な変化は見られなかったが、今後、正常コントロールにおいて同様な検討を行い、本症例と局所の容量を比較できれば、微小な容量の変化について再評価することが可能と考えられる。 2.本研究に関連したものとして、けいれん・てんかん患者における脳のMRI定量解析について、およびてんかん全般について、以下の研究発表を行なった。 (1)学術論文(Neurologyに投稿し、revise中): Takeoka M, Riviello JJ, Duffy FH, Kim F, Kennedy DN, Makris N, Caviness VS, Holmes GL. "Bilateral volume reduction of the superior temporal areas in Laudau-Kleffner syndrome" 要旨:後天性てんかん性失語症であるLandau-Kleffner症候群患者4人について脳のMRI定量解析を行い、両側の上部側頭葉における容量の減少を検出した。 (2)学術論文(Epilepsiaに投稿準備中): Takeoka M, Kim F, Makris N, Kennedy DN, Caviness VS, Holmes GL. "Volumetric analysis of the thalamus in pediatric patients with medically intractable epilepsy" 要旨:難治性小児てんかん患者11人について脳のMRI定量解析を行い、視床の容量を左右差等について比較した。 (3)学会発表:Annual Meeting of the American Epilepsy Society(全米てんかん学会):米国ボストン、12月6日-11日: Takeoka M, Mitsuhashi T, Takahashi T. "Zonisamide and metabolic acidosis in pediatric epilepsy : correlation with serum levels" 要旨:ゾニサミド投与した小児てんかん患者4人について薬物血中濃度とアシドーシスの関連について検討した。
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