1)各種モノクローナル抗体の精製 CD4、CD8、CD25、IFN-γに対する抗体を産生するハイブリドーマをヌードマウスに腹腔内投与し、腹水を回収した。それぞれの腹水に対してフィルター処理など行なった後に、サンプル内における抗体濃度の測定を外部業者(オリエンタル酵母)に依託し、抗体の存在および濃度の確認を行なった。 2)抗体処理を行ったマウスの解析 抗CD25抗体をマウスに全身投与後、脾臓を回収し、CD4^+CD25^+細胞群の変化をflowcytometoryを用いて経時的に解析した。その結果、二日前に50μgの抗CD25抗体を投与することによってCD4^+CD25^+細胞群は約半数の数に減少した。特にCD25強発現細胞群の減少が目立つ傾向を認めた。 3)抗体処理を行ったマウスにおけるIL-12遺伝子導入B16F10メラノーマの抗腫瘍効果の解析 抗CD25抗体処理を行ったマウスに、1x10^6個のIL-12遺伝子導入B16F10メラノーマを皮下接種し、その腫瘍径を経時的に計測した。その結果、抗CD25抗体処理を行ったマウスではコントロール抗体処理マウスと比較して有意な抗腫瘍効果の増強がみられ、抗CD25抗体を腫瘍接種の2日前に1回のみ投与した群においても有意な差を認めた。腫瘍拒絶したマウスについては、その後長期間の観察を続けたが、CD4^+T細胞に対する抗体を投与した時にみられたような体毛の白斑様変化を伴うマウスは認められなかった。
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