1.リコンビナントGM-CSFおよびリコンビナントFlt3 ligand皮下投与により増幅されるマウス皮膚樹状細胞のプロファイルについての検討 メラノーマ担癌個体に対する非担癌個体コントロールとして、まずリコンビナントGM-CSF皮下投与による樹状細胞のプロファイルの変化、増幅される樹状細胞サブセットを検討するため、正常マウスにリコンビナントGM-CSFまたは、樹状細胞の分化を誘導し増幅させるもう1つの分子であるリコンビナントFlt3 ligandを皮下投与し、皮膚の樹状細胞サブセットについてフローサイトメトリーにて検討した。パラメーターとして、Ia、CD11c、CD11bの他、CD8α、CD123、B220、Gr-1を用い、皮膚樹状細胞サブセットの分類を試みた。また、これらについてCD80、CD86等の活性化マーカーの発現を調べるとともに、CD56、CD14陽性細胞など、樹状細胞以外の細胞増幅についても検討した。 正常皮膚において、皮膚樹状細胞は表面マーカーの異なる複数のサブセットを含んでおり、myeloid、lymphoidの他、plasmacytoidの樹状細胞も存在すると思われた。GM-CSFはmyeloid、plasmacytoidサブセットを、Fli3 ligandはこれら3系すべてを増幅するが、その割合は異なった。さらに、胸腺、肝の樹状細胞と比較すると、同じサブセットに属すると思われる樹状細胞でも表面マーカーの発現頻度が異なり、皮膚樹状細胞を検討する上での適切な指標マーカーを確立する必要があると考えた。いずれのサブセットも活性化マーカーの発現が非常に弱く、未熟な樹状細胞であった。
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