<方法>成犬9頭の肝臓に30W/6分間のRFAを計30回実施し、2時間後、24時間後、3日後、7日後に肝臓を摘出し、5頭は屠殺直前にRFAを追加した。アポトーシスの形態学的証明にはH-E染色の他、核の縮小化と核クロマチン濃縮を定量評価した。アポトーシスに特徴的な細胞萎縮は単位面積当たりの肝細胞数増加にて評価した。TUNEL免疫染色でDNA断片化を、虚血評価にはHIF-α染色を行った。生化学的検討としてDNA ladder formationを証明するためDNAを電気泳動し、Caspase-3活性を測定した。<結果>H-E染色上、焼灼部は層構造を呈し、直後から3日目までに3層から5層に変化した。焼灼部辺縁では細胞萎縮、核の縮小化と核クロマチン濃縮などの形態変化を認めた。定量評価では直後・2時問後・24時間後の肝細胞密度増加、核縮小化が有意であった(p<0.01)。核濃度は24時間後に有意な上昇を示した(p<0.01)。TUNEL染色では2時間後に第1・2層で陽性を示し、24時間以後は第3・4層まで陽性域が拡大した。辺縁部の陽性率は経時的に上昇し(p<0.01)、7日目に全ての細胞が陽性を示した。HIF-α染色では直後からH-E染色上の形態変化の見られる領域に一致して陽性を示し、第3・4層で陽性率が高かった。辺縁部のDNA電気泳動で24時間後に初めてDNA ladder formationが検出された。Caspase-3活性は直後、2時間後で低値を示し、24時間後、3日後で著明に上昇した。<結論>RFA後の焼灼部辺縁は形態学的・生化学的にアポトーシスの条件を満たしていた。辺縁部におけるアポトーシス誘導と経時的形態変化の結果から、病理学的効果判定は24時間以後に行うのが確実と考えられた。判定はH-E染色のみで可能であるが、TUNEL染色を併用すれば一層精度の高い効果判定が可能である。
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