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2002 年度 実績報告書

ミトコンドリアの放射線感受性に及す影響についての検討

研究課題

研究課題/領域番号 14770442
研究機関群馬大学

研究代表者

北本 佳住  群馬大学, 医学部, 助手 (20334097)

キーワード放射線感受性 / アポトーシス / ミトコンドリア / ヒト由来腫瘍細胞
研究概要

【目的】悪性腫瘍を放射線で制御しようとするとき,その腫瘍細胞の放射線感受性は治療成績に大きく影響する.一般的に核・細胞質比の大きな細胞は放射線に感受性であり,細胞質が大きく,細胞質内にミトコンドリアの多い細胞が抵抗性であると言われてきた.事実,ミトコンドリアを多く含む筋肉や神経細胞から発生した悪性腫瘍は放射線に抵抗性であることが多い.
【材料と方法】(1)放射線感受性とミトコンドリアを介するアポトーシスの関係 現在,ヒト肺腺癌細胞株,ヒト乳癌細胞株,ヒト子宮癌細胞株を用いてそれぞれの放射線感受性をコロニー法を用いて検討した.また放射線感受性の指標となると言われているアポトーシスの発現をフローサイトメトリーを使用した方法とラダー法で検索し,コロニー法による放射線感受性との関連を確認している.アポトーシスにはミトコンドリアを介する経路とミトコンドリアを介さない経路が存在するが,放射線照射した後の細胞のミトコンドリア膜電位をフローサイトメトリーで観察することによりそのアポトーシスの発現頻度と膜電位変化の関係観察中である.今後はそれぞれの細胞のアポトーシスがどの経路優位なのかをタンパクの発現を見ることで検索したい.(2)ミトコンドリアDNA不活性細胞株の作成 ある濃度の臭化エチジウムを含む培養液中で培養することによりミトコンドリアDNAを不活化した細胞が作成できることが知られている.現在,上記実験で用いている細胞株からそれぞれのミトコンドリアDNAを不活化した細胞を作成中である.
【経過】ヒト腫瘍細胞の放射線感受性とアポトーシスの発現にはある程度の関連があることが示唆された.今後はミトコンドリアDNAを介したアポトーシス発現の程度とミトコンドリアDNAが不活化されたとき放射線感受性やアポトーシスの発現にどのような影響がでるのかを検討する予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yoshizumi Kitamoto: "Caffeine diminishes cytotoxic effects of paclitaxel on a human lung adenocarcinoma cell line"Cancer Letters. 191(1). 101-107 (2003)

  • [文献書誌] Yoshizumi Kitamoto: "Redevelopment of small cell lung cancer after a long disease-free period : a case report"Japanese Journal of Clinical Oncology. 32(1). 30-32 (2002)

  • [文献書誌] 北本佳住: "肺癌脳転移に対する放射線治療法(ガンマナイフ治療を含めて)"日本臨床. 60巻増刊号 5. 497-500 (2002)

  • [文献書誌] Jun-ichi Satio: "Correlations between in vivo tumor weight, oxygen pressure, 31P NMR spectosoopy, hypoxic microenvironment marking by β-D-iodinated azomycin galactopyranoside(β-D-IAZGP), and radiation sensitivity"International Journal of Radiation Oncology Biology Physics. 54(3). 903-909 (2002)

  • [文献書誌] Tetsuo Akimoto: "Heat shock protein 90(Hsp90) chaperone complex : a molecular target for enhancement of thermosensitivity and radiosensitivity"Japanese Journal of Hyperthermic Oncology. 18(3). 131-142 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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