多核種オートラジオグラフィー法の妥当性の検討をex-vivoとin-vitroオートラジオグラフィを併用して行った。 (1)パーキンソンモデルラットは、6-OHDAの脳内定位的局所注入で作成した。 (2)用意したモデルを用いて、2-3日後の早期と2週間後の後期にて、それぞれTc-99m-HMPAO 3.7MBq前後を静注した。屠殺後に切り出した脳切片のオートラジオグラフィにて脳血流分布をみた。 (3)同じ脳切片または連続切片にて、時間を遅らせて、インビトロドパミントランスポータ結合反応を行って変化を比較した。 (4)連続切片にて、ラットチロシン脱水酸化酵素に対する抗体を用いて免疫組織学的にチロシン脱水酸化酵素の活性を見た。 以上より、同一の切片でも脳血流とドパミントランスポータの同時オートラジオグラフィを得ることが出来た。6-OHDAによる選択的ドパミン神経破壊は、血流、受容体の変化は乏しいものの、ドパミントランスポータの著しい低下を示した。F-18-FDGによる糖代謝については、PET施設との薬剤授受の手続き上の問題で出来なかった。しかし、ドパミントランスポータの変化よりは糖代謝の変化が乏しいことは予想される。連続切片をコンピュータに取り込むことで、統計的に低下部位を客観的に評価できた。
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