1.CR読取装置より得られたDICOM形式画像データから線量分布を求めるための、メインとなる解析処理プログラム(Dose Distribution Depiction System)の開発を前年度に引き続き行った。現段階においては、基本となる部分のプログラムはほぼ完成したが、その他の部分に、あと残り約20%ほどの開発が必要である。また、処理スピード、解析結果のデータ出力、保存、表示等についての問題点をほぼ解消した。今後は、汎用性を高めるために、パソコンの様々な作業環境におけるプログラムの安定性についても検討する必要があり、他言語によるプログラムの新規開発が必要になる場合も考えられる。 2.本研究は、医療施設において新規の測定装置を導入する必要はなく、既存のCR装置を応用利用する形で線量分布測定ができる新しい方法を開発するのが目的であり、それが大前提である。そのため、診断用に使用されているCR装置とIPの基本特性について検討する必要がある。そこで、前年度に引き続き、CR装置において本研究の手法で線量分布の測定が可能な照射線量(吸収線量)の範囲を検討した。つぎに、IPの照射線量(吸収線量)、発光量、CR読取感度、IPのエネルギー感度特性の四者の関係について検討した。今後は、再現性、フェーディング等についての検討が必要である。また、従来から行われているフィルムを使用して線量分布を測定する方法と比較をするために、フィルムのエネルギー感度特性についても今後検討の必要がある。
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