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2002 年度 実績報告書

ホウ素中性子捕捉療法における新しい熱中性子フルーエンス測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14770455
研究機関広島大学

研究代表者

石川 正純  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (80314772)

キーワード熱中性子検出器 / SOF検出器 / 中性子捕捉療法 / 吸収線量評価 / リアルタイムモニタ
研究概要

放射線癌治療法の一つであるホウ素中性子捕捉療法では、癌にホウ素化合物を取り込ませ、ホウ素と中性子の核反応エネルギーを利用して選択的に癌を死滅させるため、正常組織へのダメージが少なく、特に後遺症の残りやすい脳腫瘍への治療に効果をあげている。現在行われているホウ素中性子捕捉療法では、腫瘍付近に埋め込まれた金線から評価された熱中性子量(フルーエンス)と、血中ホウ素濃度から推測された腫瘍のホウ素濃度を用いて吸収線量を評価している。この方法では、金線の放射化に約15分程度が必要であり、さらに放射化量の測定及び熱中性子量の評価まで含めると、最低でも30分程度が必要となる。最終的な熱中性子量の評価は照射終了後に取り出された金線によって行われているが、治療に必要な照射時間は、照射中に取り出した金線から評価された熱中性子量を用いて推測しているため、時には熱中性子量の評価が間に合わず、過照射となった例もある。
そこで、本研究では、プラスチックシンチレータからの光信号を光ファイバーで伝達することにより、小型かつ電気ノイズの影響を受けないSOF検出器(Shintillator with Optical Fiber Detector)を構築し、吸収線量評価に必要な熱中性子の量をリアルタイムで測定することを目的とする。
シンチレータ材料として、ホウ素入りのプラスチックシンチレータを使用したSOF検出器で熱中性子の検出を試みたが、γ線の寄与が無視できなかった。そこで、ホウ素無しのプラスチックシンチレータを使用したSOF検出器でγ線の寄与を補償することにより、10^6〜10^9[n/cm^2/s]の熱中性子場において精度の高い測定が可能となった。
また、実際のホウ素中性子捕捉療法にSOF検出器を適用し、リアルタイム熱中性子束モニターとして十分機能することを確認した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.Ishikawa: "Real-time Estimation of Neutron Flux during BNCT Treatment using Plastic Scintillation Detector with Optical Fiber"Research and Development in Neutron Capture Therapy. 443-447 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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