研究概要 |
本年度は間質性肺炎モデルラットを使用した基礎実験の前にヒトにおける間質性肺炎の活動性評価を核医学検査を用いてどの程度有用であるのか検討した。 対象は非喫煙間質性肺炎患者14例で、全例に^<67>Ga scintigraphy,^<99m>Tc-DTPA aerosol scintigraphyおよび血清KL-6値の測定を施行した。 ^<67>Ga scintigraphyは視覚的に肺野の集積を4段階に分類し、^<99m>Tc-DTPA aerosol scintigraphyは肺野に関心領域を囲み肺からの^<99m>Tc-DTPA clearanceを測定し、T1/2を算出した。血清KL-6は500 IU/ml以上を異常値とした。 ^<67>Gaの肺集積の程度と^<99m>Tc-DTPA clearanceおよび^<67>Gaの肺集積の程度と血清KL-6値の間に明らかな相関関係は認められなかったが、^<99m>Tc-DTPA clearanceと血清KL-6値の間に統計学的有意差はなかったが負の相関が認められた。つまり、^<99m>Tc-DTPA clearanceが亢進するほど血清KL-6は高値を示す傾向があった。以上より、間質性肺炎初期の活動性評価に^<99m>Tc-DTPA aerosol scintigraphyが有用であると思われた。 この結果をふまえ次年度は間質性肺炎超初期の活動性評価における^<99m>Tc-DTPA aerosol scintigraphyの有用性を間質性肺炎モデルラットを使用し研究する予定である。
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