研究概要 |
妊娠後期のラットを購入し、4群(対照群,15分handling群,2時間母仔分離群,6時間母仔分離群)に分け出産させた。仔ラットは生後3週齢まで毎日それぞれのグループの条件時間だけ別ケージに移した。22日齢時に仔ラットは離乳を行い、実験開始週齢(3,6,9,12週齢)、性別と母仔分雌条件に応じて32群(4×2×4群)に分けた。仔ラット(n=4〜7)は離乳後各群毎に個別ケージに入れ、実験週齢に達するまで餌、水を自由に与え飼育した。実験週齢に仔ラットが達する前日PM3:00に餌を取り除き,翌日よりPM1:00〜PM3:00の2時間のみ餌を与える時間制限給餌を6日間続け、摂餌した量と体重を測定した。7日目のPM1:00より自由摂餌(rebound hyperphagia)とし、その後24時間の摂餌量と体重を測定した。 rebound hyperphagia時の摂餌量では6週齢雌でhandling、2、6時間母仔分離群で有意に増加、9週齢雌で2、6時間母仔分離群で有意に増加、雄の9週齢handling群で有意に減少していた。 本研究の結果より雌ラットにおいて母仔分離のrebound hyperphagia時の摂餌量に対する影響は、その強度により持続時間が異なる事が示唆された。前研究でもみられた6時間母仔分雌による6,9週齢でのrebound hyperphagiaの増強は2時間母仔分雌でも同様に認められる事が示され、handlingでは6週齢でのみ認められた。2時間母仔分離を行った雄ラットにおいては2時間制限給餌中の摂餌量にも変化が詔められることから基礎摂餌にも変化があることが示唆され、また雄の9週齢のhandlingラットではrebound hyperphagiaに減少を認め雌雄で逆の結果を認めたが、一定の傾向などはなかった。
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