Common cytokine receptorγ鎖(γc)は、リンパ球の発生と分化に重要な役割を担っている。特に、γc鎖の細胞内領域のC末端48アミノ酸は、Jak3との会合及びその活性化に必須の役割を果たしている。申請者らはこれまでに、in vivo実験系でγc鎖の膜近傍領域を介したJak3非依存性経路の存在を示唆していた。また、発生工学的手法により、γc鎖欠損マウスでは障害されているTリンパ球の分化が、C末端48アミノ酸を欠失したγc鎖変異体のトランスジーンを発現させることによって回復することを示唆していた。今回、申請者らは、γc鎖の膜近傍領域を介したJak3非依存性経路に関与する蛋白を同定するために、EBV-transformed human B cell由来のcDNAライブラリーをYeast two-hybrid systemによってスクリーニングした。その結果、ヒトIL-2Rγc鎖膜近傍領域と相互作用する蛋白をコードする複数の遺伝子断片を単離することができた。さらに、単離した遺伝子断片を発現ベクターに挿入し、COS細胞に導入して、ヒトIL-2Rγc鎖膜近傍領域との結合を確認したが、COS細胞での結合性が再現されず、細胞系の変更も含めてさらに解析を進めている。
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